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賞味期限と消費期限

  • 2008-02-14 (Thu) 23:53
  • misc

安全に食べられる「消費期限」表示に集約  政府着手 という記事が asahi.com に出ました。
今日の日経新聞のトップにもありましたね。ネット上では珍しく朝日新聞さんの記事がわかりやすいと思います。

僕は食品表示に関する法律を一つにまとめることには大賛成です。
現在の状態は誰がどうみてもわかりやすいとは言いにくいです。
知っていますか?現在の食品表示に関する法律は、食品衛生法(厚生労働省)・JAS法(農林水産省)・景品表示法(公正取引委員会)・計量法(経済産業省)・健康増進法(厚生労働省)・薬事法(厚生労働省)とこんなに色々な場所で定められています。

その他にも、さらに細かい法令やらなにやら、様々な指定を受けています。それが一つになるのはとても良いことです。しかし、政府の方針に少し困った状態を引き起こすのではないかと思われるところがあることも否定できません。
ここでは、それに対する懸念を記しておこうと思います。

さて、最初は、表示を集約することについての懸念をお伝えしたいのですが、その前に「賞味期限」と「消費期限」の違いをおさらいしましょう。
ココを見て各自おさらいしてください。→(農林水産省)食品の期限表示について
と言ってしまっても良いのですが、今回僕が必要な部分を簡単にまとめると、

期限 いつまで? 期限を過ぎても食べられるの?
消費期限 おおむね5日以内に消費すべき ×;やめるべき
賞味期限 上記以外=6日以上、設定日まで △;即食べられなくなるわけではない

となります。

お分かりの通り、賞味期限と消費期限は性質が全く違うものです。
それを「消費期限」に一本化することで多くの問題が出てくるのではないかと僕は思います。

例えば、3ヶ月の消費期限が設定されたクッキーを例に挙げましょう。
(期限設定は販売者が任意に行うことを大前提として)販売者は期限を恐れて本来6ヶ月耐久のある商品を3ヶ月と表示しているとします。
ここで思い出してください。消費期限というのは期限が切れたら食べられない性格の表示方法です。
3ヶ月の消費期限を迎えた商品は、まだ食べられるにもかかわらず捨てるしか道が残されなくなってしまいます。

結果、おそらく期限切れの商品がゴミとして大量に捨てられることになるでしょう。
これは、これから環境問題を考えなければいけない時代に逆行することになります。
また、さらなる食品の価格高騰を招きます。
(そもそも論で言うと、自給率39%の国が行える選択ではないはずなのです。)

ではどうすれば良いか?
最終的には、賞味期限と消費期限、現状の表示方法が最適だと思います。
国民に周知させる運動を引き続きやっていけば良いと思います。
(こんなパンフで→知っていますか食品の期限表示?(PDF)

結論に至る経緯ですが、まず僕が素人考えで思いつくのは、消費期限に統一ではなく、賞味期限に統一したらどうか、ということでした。
しかし、これはダメ、全く愚案でした。もし表示の統一をやるのならあくまで消費期限でいくしかないと思います。
なぜなら、賞味期限に統一するということは、ダメなものは即廃棄という流れを断ち切ることはできても、同時に、食べる人の自己責任を問われることになります。ようするに販売者は今よりも楽になってしまいます。
でも僕としては、それでも言葉面は賞味期限で行くほうが良いという気持ちが拭えません。
次に考えたのは、消費期限という言葉を使うとしても、性質が違うのだから「絶対消費期限」「消費期限」と分けたらどうか?ということでしたが、どう考えてもそれをやるなら今のままの表示のほうがスマートでした。これもダメです。
それでは、「品質保持期限」のような別名に変えたらどうか?
これは一見良い方法に見えるのですが、実態は変わらないような気がします(やってみないとわからないという点では前に考えた2点よりは良いですが、法律はわからないまま通して良いかというとそんなことはないでしょう) そんなことをあれこれ考えると、現状の賞味期限と消費期限の2枚看板はかなり良い方法であると思い知らされました。

次に、製造年月日を表示する、という件ですが、これはただ単に業界のために反対です。

現在、製造年月日は任意表示となっていますが、これは業界が義務表示に反対したという経緯があるからです。
最近「製造年月日が記載されているのは安心のバロメーター」とばかりに煽ったメディアがありましたが、実は製造年月日は任意であるために、冷凍保存してあったものに対しては冷凍保存前なのか後なのかどちらでも可能になっているという問題があります。
まあ、正直なところそんな問題はどうでもいいです。

例えば冷凍保存を活用している中小のお菓子屋さん。
冷凍前が製造年月日だと保健所に言われることになると思います(実際、現場にはそういう指導が既に出ています)。言われた通りやってみると、製造年月日と消費期限がものすごく離れてしまいます。その結果は予想通り売れなくなるということですね。
(ちなみに冷凍保存を駆使しなかったら単価が3倍とかになり、結果は同じ、売れなくなるはずです。)
これは本当に切実な問題です。制度が変わったら生き残れないかもしれません。
そんな中小のお菓子屋さんのことなんて関係ないよ、とか、期限が離れないように作ればいいじゃん、と思われると終わりなのですが...

さて、この問題をどうやって法の中に取り入れ、また、解決してくれるのか、僕はとても心配に思っています。
政治家のみなさんには本当に期待しています。
是非、たくさん議論を重ねて消費者を守りながら販売弱者を潰すことのない理想的な法案を作っていただきたいです。ほんと、よろしくお願いしますよ。

Comments:2

Andy 2008-02-15 (Fri) 10:53

今の問題は,ほとんどの消費者が賞味期限を消費期限として扱っているというところにあると思います。
賞味期限をちょっと過ぎただけのものをバカパカ捨ててしまう人がどれだけ多いことか。
だから,統一するのであればやはり消費期限にするしかないでしょう。
あとは「賞味期限」という名前を変えることですね。「賞味最適期間」とか。

masnec 2008-02-15 (Fri) 19:23

おお、Andyさん、ありがとうございます。
そうか、僕はもう知ってしまっているので全然気がつきませんでした。
1秒の世界という番組をこの前たまたま見て、食品廃棄は1秒間に600kgとわかりました。
よくよく考えると、それだけ捨てているってわけですものね。

1日や2日、賞味期限が切れたからといって匂いをかぐなどせずにゴミ箱に直行というのはいただけませんね。

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